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1話
現在時刻:午前2時43分。
眠れない。
眠たいのに、目と頭が冴えてる。
寝る前のスマホは、睡眠不足の原因になるのは分かっているのに、無意識に手が伸びる。
そして無意識に、Twitterのアプリを開きスクロール。
見終わると今度は漫画アプリを無意識に開き、漫画を読み漁る。
そこで私に悪魔が囁く。
“コレ怖そうやな読んでみようや”
少し残ってる理性が反論する。
“あかんって絶対。やめなさい。自分怖いのん読んだらまた寝られへん様になるで”
更に悪魔が優しい声で囁く。
“そんなに怖くないかも知らんやん?ちょっと読んでみてホンマに怖そうやったらやめよ?な?”
ここで少し残っていた私の理性は、私より先に眠りについてしまった。
“すぅ……。”
1ページ、2ページ、3ページ。
(だ、大丈夫。まだ怖くない。)
4ページ、5ページ、6ページ。
(あ、ちょっと怖い……。)
7ページ、8ページ、9ページ。
(やばい、怖い。しまった、見るんじゃなかった。手が止まらへん。)
怖いのに、続きが見たくなってしまう。むしろ続きを見て結末を知らないと気になって寝れない気がする。
でも、結末を知ってしまっても怖くて寝れない気がする。
そんな葛藤を繰り返しながらも、私の愚かな指先は止まらない。
10ページ、11ページで第1話が終わった。
(読み終わった……。)
しかし、物語が途中で終わった為、物語の結末を知るために第2話に指先が伸びる。その物語も途中までで終わった為、また3話4話と読み進めてしまい、結果的にその作品を1つ、一気に全部読み終わってしまった。
案の定、怖くて更に寝付けなくなってしまった。
こんな夜中に、私の悪魔とホラー作家の掌で踊らされてしまった愚かな私。
あゝあの時、かろうじて残っていた少しの理性に従えば良かった……。
現在時刻:午前3時47分
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