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瑠々はなんて言ったらいいのか分からない。岩崎くんが自分に気があるっていうのは本当だったんだ。人生で初めて男性にモテた。
「山辺さんの何処がいいんですか?前歯だって差し歯だし、それに彼女がいるって話じゃないですか」
「彼女とは別れてくれるらしいんですよ」
「瑠々さんは山辺さんが好きなんですか?」
「そうですね。好きです」
「そんなあ。兎に角、話し合いましょう。国道沿いのジョナサンに居るんで二人で来てください」
岩崎くんは必死だ。瑠々は同情した。
「じゃあ、山辺さんと行きます。所長も皆んないるんですか?」
「ええ、待ってます」
瑠々は電話を切って山辺さんに「ジョナサンで待ってるんだって。説明しないと納得しないみたいだから行きませんか?ついでにランチでも食べましょうか?」と言った。
「いいよ。岩崎のやつ、本気で瑠々ちゃんが好きなんだな。先に告ってよかったよ」
「私、信じられないです」
瑠々はそう言って苦笑いをした。
ジョナサンまでは歩いて15分の距離だ。今が10時半、ランチには少し早いけれど朝ごはんを食べていない。たぶん会社の皆んなもそうだろう。キャバクラに行ってラーメン屋さんも確実に行ってると思うから。
「出かける前にもう一度キスしていい?」
「うん」
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