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料理が運ばれて来た。肉が油でテカテカ輝いている。瑠々はフォークをさしてナイフで切った。
「これを食べたらカラオケ屋さんに行きましょうね。ああ、楽しみだな」
岩崎くんはすっかり浮かれている。
食事を食べ終えて駅の方向に皆んなで歩く。カラオケ屋さんのところで山辺さんは「カラオケだけしたら帰るんだよ。LINEするからね」と言った。
カラオケ屋さんは昨日の夜より空いていた。昼間にカラオケする人は少ないのか。それともたまたまなのか分からないが昨日に夜よりロビーに人がいない。店員さんは好きなカラオケの機種を訊いたが、瑠々には拘りがない。岩崎くんも「なんでもいいですよ」と言っている。
部屋に行くと中は暗くてジメジメしていた。雨が降っていて気温が高いせいだろう。人のいない部屋に冷房をかけておくほど無駄なことはない。
「エアコンつけていいですか?」
岩崎くんが言う。瑠々は「はい」と返事をした。
「歌うっていうより話をしようよ。瑠々さんの趣味はなに?」
「うーん、読書かな。ミステリー小説が好きです」
「俺はビリヤード、ビリヤードバーによく行くんですよ。瑠々さんもやってみたら?面白いですよ」
「ビリヤードバーなんてあるんですね」
「はい、カクテルも豊富にあるし、ダーツも出来るんです」
そう話をしていたとき入店の際に頼んでいた生ビールが二杯運ばれて来た。
「乾杯しましょう」
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