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「カッコよかったです。やっぱり永田さんじゃなくて瑠々さんがいい。選んで正解だった」
「お金貰っちゃった。これで焼肉食べましょうか?」
「はい」
「煉瓦」に着く。また飲むのかと思うのだが、また飲む。生ビールと特上カルビを注文した。
2時間くらい飲んだり食べたりしただろうか。山辺さんから電話があった。
「カラオケどうだった?」
「すみません、カラオケ屋さんのあとラブホテルに行っちゃいました」
嘘をつくのは気が引ける。これで振られたらそれまでだ。
「えっ、もしかして最後まで?」
「いいえ、それはないですよ」
「よかった。今どこにいるの?」
「焼肉屋さんの「煉瓦」に居ますよ」
「そう、あ、来週行く群馬のホテル予約しといたから」
瑠々は苦笑した。嫌われなかった。良かった。岩崎くんも可愛いけど山辺さんが好き。差し歯を飲み込んで救急で入院することになるほどドジなところもいい。
「群馬のホテル楽しみです。あの、私、多重結婚してもいいですか?」
「ああ、仕方ない、いいよ。相手は岩崎くんだろ」
「はい」
瑠々は夢みたいだと思った。学生時代に全然モテなかったデブな自分に夫が二人も出来るだなんて。
瑠々は数日後には80キロになってしまったが逆に嬉しかった。
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