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新しい年を、娘と2人で迎えた。
ゆずきのインフルは31日に解熱した為、4日の朝イチに治癒証明をもらいに行って、遅刻はしてしまうが仕事始めには保育園に預けて無事出勤できそうだ。
お節は何も用意してなかったけれど、冷蔵庫の中に、おでんの具材の残りと一緒に、パックの黒豆、小分けされた数の子、正月用の蒲鉾が2本入が入っているのを昨日の見つけた。
冷凍庫には小分けにされた肉まん。電子レンジの上には真空パックのお餅まで。
大貴が買ってくれていた。
私の好きな物を選んでくれたようだが、大貴と一緒にお節を食べた事があっただろうかと考える。
記憶にはないので、何かの会話で覚えていたのか。
一緒に住んでいた時はこうだったなと、冷蔵庫から取り出した黒豆のパックを盛り付けながら思い出していた。
いつも、痒いところに手が届く感じで、私はぬるま湯にどっぷり浸かっていた。
別れた時にゆずきを妊娠していなければ、私の生活は、以前の仕事の時ほどではないもののそれに近く自堕落になっていただろう。
年末年始だろうと関係のない3歳児は、6時半には起きて朝からお絵描きをしている。途中で着替えさせて、私も遊びに付き合っていたけれど、8時を過ぎるとお腹が空いたので朝ごはんにすることにした。
娘用に冷凍ご飯を温めて、同じく冷凍していたウインナーを茹でる。
切って器にもっただけでも、お節料理が数品あるだけでお正月らしさが出た。
「朝ごはんだよ」と、娘に声をかけながら、スマホを見ると、母親からと大貴から新年の挨拶が届いている。
「黒豆、おいしい?」
気がつくと、ゆずきのお皿に乗せていた黒豆が全部無くなっている。蒲鉾も。
「うん。おかわり!」
「えー、黒豆はもう無いよ。蒲鉾ならあるけど」
と、私の蒲鉾を一切れお皿に入れてやる。
「2個欲しいな〜」
「だーめ。残りはお昼!ご飯が終わったら、ばぁばに電話しようね」
「うん。ゆずがする」
どうやら、娘の頭の中は蒲鉾から祖父母とのビデオ通話に切り替わったようだ。
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