阿仰さんと、悟佐仰の話

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昔々のその昔から、 日本の集落で伝わる話があった。 夏の夜の寝苦しい晩に、丑三つ時に眼が覚めると、寝床の 周りを、阿仰さんと、その弟子である悟佐仰が、包丁を持ってグルグルと 周っているのである。 阿仰さんは、念仏を唱えながら、包丁を持ち、弟子の悟佐仰は、目覚めた者をを、充血した目で睨む。 その2人を見つけてしまうと、悟佐仰に、自宅の包丁を差し出さなければ、 本当に殺されてしまう。 眠りまなこで、そのまま寝てしまうと、一生、目覚める事が無くなり、 夢の中で、2人に追い回される永遠が続く。 この話は、決して誰にも話してはいけない。 話すと、昼夜構わず、2人に出会う事になる。 決して、他人に話してはいけない。
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