或る浪人の末路

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 自死を生における企投のプログラムに組み込まないなら生そのものがニヒリズムの温床になると言い、自死を生の展望の中に包摂することによってニヒリズムの根を絶とうとするところに武士道の思想的核心があると西部邁氏は言ったが、俗世に於いて虚無の心境に陥り、武士道と云うは死ぬことと見つけたりと悟って自死する浪人が続出している事態を受けて左之助は浪人仲間で親友の歳三のことが心配になって来た。
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