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気が進まなかったものの歳三はよんどころなく読んでみると、果せる哉、左之助の言う通り悟るに至り、畳の上で潔く切腹し、喉を掻き切って自死する仕儀に相成った。その際、飛び散った鮮血が畳や障子を赤々と生々しく染め上げた。そこへやって来た左之助は、如何にも悲痛に叫んだ。
「金を持って来てやったのに!一足遅かったか!」
五十刻法で言えば、一分ちょい、現代の時間の単位で言えば、5分、あと5分早ければ助けられたものを・・・何故に左之助は矛盾した行動をとったのか?実は葉隠れの書を歳三に渡した左之助は、誰あろう死神の化身だったのだ。
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