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なのに大樹は、きょとんとした表情で言った。
「えっ?さっきのが俺の願いだよ」
「えっ……」
期待外れな答えが返ってきて、ガッカリしそうになったとき……
手を組み、目を瞑った大樹が言った。
「結の願いは俺の願い!――お願いします、結の願いをかなえてください!」
……なにそれ。
なにサラリと言っちゃってんの?
それって最高の告白だよ。気づいてる?
無邪気に笑う大樹を見て、罪なヤツだとため息ついた。
でも、私は知ってる。大樹はそういうヤツなんだ。
いつも自分のことよりも私のことを考えてくれる……
ふぅ、と私は息を吐いた。
そして、満天の星の下、星を見ながら言った。
「大樹、好きだよ」
「えっ?!」
大樹がガバッと起き上がり、私を見る。
私は仰向けのまま、フフッと笑った。
流れ星が、また流れた。
おわり
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