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それでも、こんな思いしても歩いてるのは……
ねぇ、分かってる?
ちゃんと好きって言ってくれるんだよね?
前を歩く大樹の背中に、私は心の中で訴える。
手くらいつなげ!――と念を送っても、振り返る気配はなくどんどん歩いてく。
雰囲気まるでナシ!!
私は大樹の背中を睨みつけながら、後ろを歩いた。
「ここ、ここ!」
大樹が嬉しそうに振り返った。
やっと目的の場所に着いたらしい。
「はい、ここで寝っ転がって!」
「えっ?ワンピース汚れない?」
「草あるから大丈夫だよ。ねぇさっきも思ったんだけどさー、なんでワンピースなの?」
――バカ大樹!!
ムスッとしながらも、言われたとおり仰向けになった。
「うわっ、すごい!」
空には無数の星が輝いている。家の近所で見るより、断然星数が多くて圧倒される。
そのとき、キラリと流れ星が流れた。
「あっ!」
「見た?ここ、流れ星けっこう見れるんだ」
今日はナントカ流星群で特に多いんだって
――得意げに大樹が言う。
たしかに、じっと空を見ていたら、また流れ星が流れた。
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