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蒼の国より:
いえいえ、お二人の力あってのことです。
僕はこの通り、口がきけないものですから。
文でないと、みなさんと同じように話すことができません。
話し相手が二人もできるのは、僕にとって、大変喜ばしいことなんですよ。
紫の国より:
蒼の国の輩はお人好しでいけないよ。
蒼の国より:
ありがとうございます。
紫の国より:
褒めちゃいないよ。
うつけ者が。
朱の国より:
またそんな言い方して!
……もっとも、あなたには同意しますわ。
私も城から出られない身である以上、退屈とはいつも隣り合わせですから。
お話ができるのは、至上の喜びです。
紫の国より:
あんたは大げさなんだよ、お嬢さん。
まぁ、あたしも城にとらわれている身だ。
退屈しのぎにはちょうどいいが……いいのかね?
形だけとはいえ、あたしもお嬢さんも、一応は王族だろう?
こういうやり取りは、あんたのいう「法」にはひっかからないのかい?
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