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「どうしたの?」
あどけない笑顔を向けるルカに、さっきまで調べていた画面を見せる。
少しだけ眺めて、彼女の瞳が再び光った。
「この子飼えるんだ!いいなー」
言うなら今しかない。
チャンスだと悟り、エイトは真剣な眼差しでルカの手を握る。
真っ直ぐな視線は、彼女の頬を赤らめるのに充分な行動だった。
「話がある」
ごくりと唾を飲みこみ、そこから少しだけ沈黙が続く。
あと5分、そう言ってから5分経過した時かもしれない。
ようやく決心がつき、言葉に乗せる。
「付き合って6年、あの頃と気持ちが変わってなかったら……結婚して欲しい。それで、一緒にこの魚を飼おう」
言葉選びが苦手で、どうしても拙いセリフになってしまった。
だが、エイトは本気だった。
真剣に、この人と死ぬまで過ごしたい。
付き合った時から、変わらない気持ちをぶつける。
顔を真っ赤にさせたルカは、迷いなくエイトの手を握り返し大きく頷いた。
さっきまで煌めいていた目から大粒の涙を流しながら、満面の笑みで喜んでいる。
その表情は、かつて見た顔と同じだった。
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