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冬だというのに、彩り豊かな花々が、眠りつづける小手毬を包み込む。まるで病室自体がガラスの棺のようだと自由は苦笑する。それでも、無機質な病室に彼女をひとりきりにさせるよりはマシだと優璃は呟く。
「でも、あなたがいるから、淋しくはないのかもしれないわね」
交通事故の傷跡は、そう簡単には癒されないだろう。
だが、自由は同じように痛みを感じている優璃に、近親感を抱くようになっていた。
「幼稚な独占欲ですよ」
自嘲するように、自由は応える。
「僕は、耐えられないだけなんです」
――彼女のいない世界が。
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