ジンとツネ(続)

新しい日常

　事前情報によれば、今日の目標は、ブラウンのスーツを着ており、若い女性好きの恰幅のよい老年初期の男性ということだ。

さらにその場でしばらく待ち・・

やがて、付き添いの美しく着飾った女性数人に囲まれた状態で、目標はゆったりとした足取りでエレベーターから現れた。
仕立てのよいスーツを着ている。

専属の運転手が、黒塗りのドイツ車をエントランスで停めて、運転席から降りてきて後部座席のドアを開いた。

俺は、預かっていたと思われる大きめのスーツケースを、車のトランクに入れ込むと同時に、シール型の超小型の発信器を貼り付けた。

その後、ブラウンスーツの男性はひとりの若い女性と共にドイツ車に乗り込んだ。

俺は、それを追いかけて、これから仕事を遂行することになる。