それから

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 シズクが用意した荷物は、トランク2つ分だった、 『こっちに入れたのは、本当に大切なもの。こっちは、衣類ね。』 と、そのトランクを見ていた俺に、独り言のように説明していた。 「さて、出発しようか。 私はどこへでも付いていくわよ。 ツネ、あんたいつだったか私を抱いた後で言ったよね。 シズクは俺のなんだって。 これからも、私はあんたのなんだから。」 俺は、改めて女性の強さを知った。 そして、その強さに俺はどれだけ救われているかわからない事も、実感した。 そっと、 「シズク、ありがとう」 と言った。
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