ジンとツネ(続)

あの日の事。

「こいつは、この施設の地下１階の集中治療室にいる。

これは大変な特別待遇だ。

なぜ我々がお前の仲間に対して、ここまですると思う？

その最大の理由は、お前たちの起こした波紋に対して、少なからず感謝しているお偉いさん方がいる。

しかし、だ。
それで終わりではない。
と言うより、レインドロップスのあいつらは、全てもみ消して何もなかった事にするだろう。
そのために、あいつらは躍起になるだろうし、波紋を起こしたお前と『145』は、あいつらにとって憎むべき格好の餌食だ。

ここ以外では、確実に殺される。

まぁ、お前の家族も恋人も危ういだろうな・・

それに、もしお前が我々への協力を拒否するなら、『145』の治療は打ち切るようにと上から言われている。」

そう言った後で、タカノは、

「お前が我々に協力するなら、できる限りの協力をしよう。」

とそう付け加えた。。

・・状況はよく見えていないままだが・・
・・結局、俺にまだ戦えと言うのは間違いはないようだ。
まだ戦うしかないのか・・

「我々は、秘密結社『ノクターン(夜想曲)』。
人身売買を行う秘密結社『レインドロップス』それに対抗するために組織されたものだ。」

・・なんだよ、俺に有無を言わさずにそんなことを言うことから推察するに、俺には選ぶ道はひとつしかないと言うことか・・。

俺の中の怒りが極限まで達したときに、俺は逆に冷静になりつつあった。
心に冷たい風が流れる。

そう。
戦うためには、脳内のアドレナリンをコントロールする勢いで冷静になる必要がある。

これは、俺の運命とジンの運命を変えるための境遇への戦いだ。