魔精 マショウ

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『豊穣の精霊さん』の別ルート編です。※読んでなくても大丈夫   1ページ目は重複してる部分があります。 それは遠いむかしの話。 この地にいた精霊は豊穣(ほうじょう)の力を使い人間を助けていました。 しかしこの精霊をめぐって人間たちは戦いをはじめてしまい絶え間なく流れる人間の血により精霊を別のものへと変貌させてしまいました。 変わり果てた精霊はこの土地一帯に住む人間を殲滅(せんめつ)しその後、作物も育たぬ枯れた土地となったという。 人間の王様はこの精霊を恐れて殺そうとしましたが変貌した精霊の力は巨大で封印することしかできませんでした 精霊の封印には成功したものの枯れた大地はそのまま砂漠化が進むのと同時に精霊が封印された場所さえ忘れ去られてゆきました。 ハインは4日歩けばモコの町だと言われて砂漠を歩き続けていた。 変わらぬ景色を3日は見ているし気温の下がらない夜をすごしたハインは体力を奪われ安眠もできなくて足元の注意がおろそかになり気づいたときには砂の(うず)にのみこまれ地下洞窟のような場所に落ちてしまった 洞窟からの生還(せいかん)をめざして地上への道を探していたはずなのだが 数々のえげつない(わな)により迷いに迷って魔王クラスの化け物がいる場所へと行きついてしまい戦闘準備などしてないハインは圧倒的(あっとうてき)な力の差により鼻先にせまる(するど)(つめ)を避ける余裕がないハインは死を覚悟したのだが目を開けてられないような強い光につつまれて―… 光がおさるとハインと化け物の間でほのかな光が力尽(ちからつ)きるように床へと落ちたのだった。 ハインが()けようとするより速く化け物の触手(しょくしゅ)を伸ばすて体内に吸収すると(またた)く間に体が膨張していき背中にあたる場所を割って出てきたのは人間と似て異なる魔精(ましょう)と呼ばれる姿であった。 (ふざけんなッ!倒してもいないのに第二形態とかありえないだろぉ?!) 魔精は国の軍勢をもって倒すような相手なのである。 4つあった目は(ひたい)にある2つが閉じられじっくり見なければ目が4つあるとは思えないほど美しく整った顔立ちをに細い銀髪が軽いカーブ()くように外側にはねて揺れている。 元の姿が想像できないスリムボディは褐色肌で足腰も無駄な筋肉や脂肪はなくて腰は細いが鍛えぬかれた身体でありその後ろでユラユラと同色の(さそり)のような()が動いていた。 戦う(ちから)のないハインは状況の悪化に顔を青ざめさせ膝をついたまま声もなく目の前にやってくる魔精を見つめることしかできなかった。 「()が名はザミヘル。忌々(いまいま)しい魔術師の末裔(まつえい)よ、(なが)きに(わた)り閉じこめたことその身をもって(つぐな)え」 と美しい声が響きハインの顔を左手で持ち上げるとザミヘルは自分の右手の指を歯で傷つけると血があふれる指先をハインの口へと近づけるが 拒絶するようにハインが首を動かせば強い力で(あご)をつかみ口を開かせてザミヘルの血が流しこまれたのだった。 (うめ)き声をあげながら涙を流すハインの体は拒絶するように痙攣(けいれん)していて、服の上からでも分かる光は腹の近くに赤黒い模様(もよう)を浮かびあがっていた。 こうしてハインは地下洞窟に捕らわれたのだった。
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