半径百億年

Darkness

ああ、今日もお腹がすいた。随分と重たくなった身体は、いつも通りに空腹を訴える。

どうしてこんなにもお腹がすくのか。その理由は、僕の役割に在った。

それは僕が生まれた瞬間から僕という存在に刻み込まれた役割であり、務めであった。自分の為すべき事を、僕は知っていた。

僕はこの義務を放棄するつもりなど毛頭ない。けれど時々、誰にも見つけてもらえずに、この場所から動くことも出来ずに、そうして、周りをただみつめて生きている事に嫌気がさすことがあった。

だから色んなひとに声をかけては、そのひとが消えてしまったならば、次のひとを見つけては暇つぶしにしていた。

ある時、気が付いた。一番遠くにいるひとを暇つぶしにすれば、きっと長く持つぞ。

そうして辿り着いたのが、彼女だった。

期待などしていなかった。けれど、彼女は僕のなぞかけに初めての言葉を返して来た。だから僕は、彼女に興味を持った。

これきりで終わらせたくなかったから、役目をおくれ、と言った。