Pale white

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「さて、ペペ。どうして、君はそんなにも詰まらない顔をしているんだい」 どこか遠くに居るはずの彼は、まるで近くで私の事を覗き込んでいるように言う。 「どうして、分かるの」 「それは、ペペ、君が酷く真っ白に輝いているからだよ」 「嘘よ、だってここは、酷く寂れているもの」 そう言った私の周りには、少しだけ光を吸収している靄の様な衣をまとったひとと、僅かに褐色の光を放つひとが、ぽつりぽつりと居る。輝くだなんてとんでもない。ここは、田舎なのだ。そう独り言ちれば、その音を拾い上げて返事をくれた。 「そこも素敵だと思える日が来るよ」 「本当かしら、貴方の周りの方が随分と素敵だわ」 彼のいるという場所に、目を凝らしてみた。彼は見えなかった。けれど、その場所は星々に囲まれていた。そこに行けば、永遠に輝きの中に居られる様に見えた。 それはまるで、繁華街のネオンサインの様にきらびやかで、そうして、輝いて見えた。 「焦らなくても、きっとここに来れるよ」 「早く行きたいわ」 「焦って感情をため込んでしまうと、ここに来るよりも先に燃え尽きてしまうよ」 そう言って、彼はくすりと笑った。
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