Darkness

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Darkness

冗談の様に事実を言った僕は、くすりと笑った。 そんな音にかぶせる様に、くぅ、と身体の中心が音を立てた。 お腹がすいて堪らない。満たされることが無い。 この場所に居るのは僕だけだった。たった独りで気が付いた時から、この場所に在った。 ここに居る僕のする事は、ひたすらに近づいてくる全ての食べ物を食べ尽くす事だけだった。 彼女が素敵だと言った、きらびやかに光っているそれらは、僕の近くに来たと思ったら、目に見えない何かに引き裂かれて、そうして、一瞬で僕のお腹に取り込まれていってしまう。 それを伝えたら、彼女はここに来てくれなくなるだろうか。 「そんなのは嫌よ。絶対、そこに行きたいわ」 「だったら、感情を落ち着けて待っている事だね。そうすれば、在る時気が付いたらここに来ているよ」 これは秘密にしておこう。だって僕は、できれば彼女に逢ってみたい。 何をしても満たされない僕の、その瞳に映ったほのかに青白い輝きを宿す彼女。それは酷く小さく見えた。けれど同時に、酷く美しかった。その美しさを近くで見たいと、そう思った。
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