Yellow

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「正真正銘の、ひとりぼっちよ」 「そうかい」 「……他に言う事は無いの」 「……何を言って欲しいんだい」 その言葉に、ぎゅっと唇を噛んだ。何を言われたって、今の状況が変わる事が無い事くらい、知っていた。その事実が身に沁みて理解できるほどには、私は大人になっていた。 黙り込んだ私に、彼はくすりと笑う。 「何が楽しいのよ」 すこしばかりムッとして、そう言葉を落とせば、彼は言う。 「僕と同じだよ、ペペ。僕も、正真正銘の、ひとりぼっちだ」 「嘘よ、フィーは、そんなにも輝いているじゃないの」 そう言い返せば、小さく無言が落ちて、そうして、またくすりと笑い声が耳朶を揺らす。 「君から見えているきらめきは、僕から離れた場所だよ。そのきらめきの更に奥に居るんだ。丁度君と、線対称だよ」 「……そう、だったの」 勝手に、フィーはきらめきの中に身を置いているのだと思っていた。ネオンサイン輝くきらびやかな空間にいるのだと思っていた。 「でもね、ひとつだけ、こんな場所に居る良い事があるんだ。仕方がないから、ペペにも教えてあげようか」 「何よ、もったいぶらないで」 そう言って急かして見せれば、彼は小さく、周りを見回してごらん、とだけ言った。 言葉通りに見回した。いつもと何ら変わりのない満天の星空が、まるで河の様に遠くに広がっていた。
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