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雨が強くなる中、先輩とバスの中で今朝あったことを話してみた。 「奏、下駄箱にゴミ入れられたん!?」 「うん。色んなゴミ入ってたわ。」 「えー。そんな興味なさそうに言う?」 一緒にバスで下校しているのは3年生のゆりの先輩。 同じサックスパートの先輩である。 「あんまり、気にしてないんですよね。ゴミ捨てが上手に出来ない子たちなんだなーって解釈しとる。」 「いや、ある意味奏の切り替えにびっくりだわ。」 「だって、めんどくさいじゃん。無駄な労力使うぐらいなら美味しいもの食べて寝たい。」 「奏の食い意地はすごいね。あ、でもうちの学校って男子から女子に対しての嫌がらせは本当にひどいから気をつけな?」 「え?ゆりのちゃんもあったん?」 「私はそこまで酷くなかったけど、同級生の女の子が靴隠されたり、靴が履けない状態になってたり、物がなくなったりとか本当にひどいん。」 「今もあるん?」 「あるよ。不登校まではいかないけど、遅刻とか早退も多いよ。」 男子が女子に嫌がらせするってどうなの? と思っていた私だが、よくよく考えてみたら、男子校と言われていたこの学校に女子が入ってきたってなると嫌でもどんな女がきたか気になるはず。 ましてや、入ってきた女子は菫みたいに可愛い女の子は1人だけで隣のクラスの子は地味なタイプ、そんな私は可愛くもないただのヤンキー女ときたもんだ。 そうなれば、同じ空気を吸っていることすら嫌なのであろう。 嫌がらせをして排除したいとでも思ったのであろう。 でも、残念ながら嫌がらせをされたからと言って怖気付く私ではないので、ひたすら放置することを決めたのである。 そして次の日、自転車がないのでバス通学になる私でしたが、またもや早起きだったので歩いて学校へ登校した。 学校へ着くなり、自転車置き場の前を通り過ぎようとした私は自分の自転車を見て、思わず大爆笑してしまった。 下駄箱と同様にゴミ箱にされてはいたのだが、乱雑に入っていた訳ではなく、ご丁寧に陳列してゴミが入っていたのだ。 あまりにも綺麗に並べられていたので、笑うことしかできなかった私。 でも、分別して捨てなきゃいけないので、記念写真だけとってゴミを捨てに言った。 すると反対方向から校長先生が現れた。 「平沢おはよう。」 「あ、おはようございます。」 「ん?どうした?そんないっぱいのゴミ。」 「あー、なんか自転車に大量にゴミ入れられて今から分別しに行くところです。」 「え、平沢いじめられとるんか?」 「んー、私はそんなつもりないですけど、永井さんはいじめだと言い張ってますねー。」 「そうか・・・。でも平沢をいじめることなんて無理やろ!平沢強そうやし、いつか倍返し来そうやもんな!はっはっは!」 「え。それどういう意味や。」 「まあ、うちにはいじめはない!はっはっはー!」 うん。この先生・・・変。 あまり関わらないでおこう。 そう心に誓った私は、分別を終えて下駄箱へと向かった。 「・・・・・・。」 皆さん。 この小説を読んでいらっしゃる方は常識がわかる方々だと思ってはおりますが、これだけは言わせてください。 下駄箱はゴミ箱じゃない!!!!!!
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