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5日目 最小(ミニ)ノート
1-B教室にて
〈渡部先生〉はい。きょうは世界のさまざまな地域・ロシア編にいきます
〈渡部先生〉では、始めるぞ。と、その前に、おい酒田、ちゃんとノート持ってきたか?
〈酒田〉え?はい
〈渡部先生〉見せてみろ
〈酒田〉え?それはなぜ?
〈渡部先生〉いいから、見せなさい。君には前科があるからな
〈酒田〉分かりました
酒田は、自分のノートを地理教師の渡部先生にみせた。
〈渡部先生〉酒田......ガッデム!なんだ!これは!?
一昔流行った100均でも買えるあの書きにくいノートじゃねえか!
〈酒田〉はいっす!
〈渡部先生〉はいっす!じゃねえよ!頼むから、まともなノートを持ってこい!
〈酒田〉え?でもうちの近く文房具屋にはこのサイズしか......
〈渡部先生〉なわけあるか!どんな店だよ!この書けないノートを売ってよく店閉めないな!おい!
〈酒田〉おれに言われても
〈渡部先生〉わかった、今日はもういい、線のない白紙だが、この用紙を使いなさい
そして、渡部先生は授業を進めた。
〈渡部先生〉そして、このロシアの国土は日本の45倍で、その大半は亜寒帯と寒帯に属している。針葉樹林(○○○)が広大な面積を多く占め、シベリア北部には永久凍土地域が広がっている。
この、(○○○)の言葉をだれかに書いてもらう。
いいか、前に習ったやつだぞ。
そうだな、じゃあ酒田、お前、書いてみろ
〈酒田〉分かりました
そういうと、酒田は立ち上がった。その時、渡部先生が口を開いた。
〈渡部先生〉まて、酒田
〈酒田〉え?はい
〈渡部先生〉そのまえにその用紙みせろ
〈酒田〉へ?
〈渡部先生〉いいから
〈酒田〉はい
酒田は用紙を見せる。
〈渡部先生〉なんだ!これは!一文字も書いてないやん!おまえ!授業ちゃんと受けてるのか!?
〈酒田〉あの、先生
〈渡部先生〉なんだ!
酒田は先ほどの小さいノートを見せた。
〈渡部〉っ!なんだこれは?ちくしょう!器用かよ!!おまえ!
そのノートには先ほどの授業の内容が書かれていた。
先生は頭をかかえた。
〈渡部先生〉もういい!そのノート認めるよ!とことんそいつを使え!
こうして、渡部先生の地理授業で小さいノートが容認(酒田限定の)された。
ー 5 最小ノート ー 続く
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