(三)

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 国際宇宙ステーション四号は、約九〇分で地球を一周していた。その間、分離した輸送船は地球の引力に引かれつつ、少しずつ速度を増していった。途中で自動噴霧装置が働き、切り離しから約三時間後、南太平洋へ向けた軌道を描いて大気圏内へ突入していった。  ジョージは窓の外を見た。そこには赤い火の玉となった輸送船があった。そしてヒューストンの司令室へと無線を送った。 「こちら国際宇宙ステーション四号のジョージ・シッキンだ。輸送船コウノトリ二三号は無事に地球の大気圏内へ突入した。『流れ星は落ちた』。繰り返す『流れ星は落ちた』」 (続く)
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