(三)

24/24
前へ
/31ページ
次へ
「こちら指令室のトルゲ・ハネルだ。こちらでも観測した。お疲れ様、作戦は成功だ」  トルゲの声の他に、無線からは司令室にいる無数の人たちの歓喜の声が聞こえた。 「見ろよ、俺らのウンコが燃えているぜ」  ジョージとは別の窓からカメラのシャッターを押しながらシッコが言った。 「その言い方は止めなさいよ、せっかく宇宙にいるんだからさ」  実験室に引きこもっているチッチの声がインカム越しに聞こえた。 「地上では流れ星だって、今頃大騒ぎでしょうね」 ケンが言うと、ジョージが言った。 「ああ、彼らの祈りの先にあるのは、夜空に光り輝くまばゆくきらめくウンコ、ってわけだ」 「ただ単なるゴミの焼却処理に過ぎないんだけどね」とケンが続けた。  窓の外の火の玉はどんどん大きくなった。やがて中心部の物体は粉々になり、次第に火球は小さくなっていった。 (続く)
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1195人が本棚に入れています
本棚に追加