寝ずの番

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 そうして再び迫りくる射精感に、翔太は顔を顰める。それは忍も同じようで、馬鹿の一つ覚えのようにイイ、だのイク、だのを繰り返す。翔太ががむしゃらに腰を動かしていると、どんどん胎内が狭くなってくるのが分かった。痛いくらいに翔太の陰茎を締め上げて、再びナカを白いもので染め上げるのを想像する。 「忍、だ、出すぞっ」 「うん、うれしい。出して。僕のナカに……、出してっ!」 「何回でも、出してやる」  ビクビクと身体かが痙攣し、下腹部に血液が集まっていくのが分かる。翔太は快感に顔を顰め、思わず強く目を瞑った。すると忍が、翔太の頬にキスをする。そうしてまたあの楽しそうな声で、不穏な言葉を告げた。 「ねぇ、何で僕が死んだか知りたくない?」  睦言というには物騒なその言葉。しかしそれはなぜか甘く、翔太の頭の中に響いてきた。知りたい。忍のことを知りたい、思い出したい。迫りくる射精感とせめぎあい、もう自分でも訳が分からなくなってくる。それに追い打ちをかけるように、忍が囁いた。 「ぼくね、腹上死したんだ」  その瞬間、思わず翔太は忍の方を見るために目を開ける。しかし目に飛び込んできたのは、ガラス窓に向かった自分の顔だった。それは見知った自分のものではなく、別の男の顔。翔太とは同じくらいの年の頃の、しかし精悍な顔つきをした男だった。それが驚きで間抜けに目を見開いている。 「どういうことだ!」  そう叫んだ瞬間、再び忍の胎内に白濁をまき散らした。すると強烈な眠気が、翔太を襲う。忍に問いただしたいのに、あの男は誰なのか聞きたいのに、それは適わない。そうして意識が途切れる瞬間、忍の声が頭の中で響いた。 「和彦さん……」  誰だよその男。そう思ったのを最後に、翔太の意識は暗転した。
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