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翔太は忍を畳に横たえると、申し訳程度に開いていたシャツを大きく割り開いた。そうして忍に覆いかぶさると、噛みつくような勢いで乳首を口に含む。しかし乱暴なことはせず、舌で転がし、時折吸い上げると言うことを繰り返した。それを面白そうな目で忍が見ている。傍から見れば猛獣に襲われているようにしか見えない。
「あっ……、はぁん、ふふっ」
翔太の頭を抱え、快感に忍の身体がしなる。そうして甘い吐息を吐きながら、無心で舌を這わせる翔太の顔を見つめていた。
胸から始まった愛撫は段々と下に降りていき、脇腹、臍を辿ってとうとう下腹部まで到達する。忍のそこはやはり男らしく、前部分を膨らませていた。そこを撫でてやると、また可愛らしい声が上がる。
「あ、あのね……」
慌てた様子で、忍が声をかける。それに視線だけを向けて翔太が応えると、気まずそうにあることを告げる。
「また、足動かないんだ」
確かに言われてみれば棺桶から出ようとしたときも足は動いていなかったし、今も上半身はよく跳ねるのに下半身はピクリともしていない。
「ごめんね」
何を謝る必要があるのか。翔太は安心させるかのように、忍の頬を不器用に撫でた。すると忍の表情も柔らかいものに変わる。
「ほんと、優しいんだから」
「きっと、お前のことが好きなだけだ」
「へぇ、僕のこと好きなんだ」
いつの間にか翔太の中では、忍は守るべき大事な人という認識になっていた。それをからかうように指摘されて、翔太は思わずムッとする。自分の言葉が信じてもらえないのが嫌だったのだ。しかしそれすらもお見通しなのか、ごめんごめんと忍が謝る。
「僕も君が好きだよ。だから、キスして」
それを拒む理由もなく、二人は軽いキスをした。それはまるで慈しむような、優しいキスだった。
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