寝ずの番

「はぁっ……、はぁっ……」
　一度達したからか、忍の身体は強張っていた。強く掴んだ翔太の肩口が痛い。しかし気にすることなく、翔太はその白濁を掬い取って後ろに塗りこめる。それを忍が制止の声を上げた。

「お願い、ちょっと待って。いま……、イッったばかりで、辛い」
　身を捩って逃げ、忍が本当にやめて欲しいのだと悟る。仕方なく翔太は、忍と向かい合うように横になった。そうして汚れていない方の手で忍の頭を撫でる。

「ごめんね、ちょっと体がびっくりしちゃって」
「いや、いい」
「代わりにさ、僕も可愛がってあげるよ」
　そう言って忍は、翔太の下腹部を触る。窮屈そうに押し上げているそこを撫でられると、甘い痺れが下半身にじんわりと伝わる。しかし布越しというのがどうにももどかしい。それがわかっているのか、先のお返しなのか。あえて忍は強く裏筋を撫でていた。

「し、忍……」
「気持ちいい？」
「あぁ……」
　素直な反応に満足したのか、意地悪はもう止めにするようだった。代わりに右手を翔太の首に回して体を密着させ、左手をチャックを開けただけのズボンに突っ込む。そうして翔太の性器を取り出すと、親指で弄り始めた。

　鈴口を指の腹で撫で、そこから首、裏筋と優しく触れていく。かと思えば、いきなりキュッと根元部分を掴んだり。亀頭全体を手の平で擦ったり。そんな不規則な刺激を与えられると、もどかしさに頭が沸騰しそうになる。それに耳元では、忍がいやらしい言葉で翔太を攻め立てていた。

「相変わらずここは大きいんだから。ここ、好きだったよね。ほら、ちょっと撫でるとビクビクする。かわいい。熱くて、僕の手溶けちゃいそう」
　そう言って、首のところを擦る。もはや翔太は敏感になりすぎて、どこが一番気持ちいいかなんてわからなくなっていた。ただイきたい。それだけが頭を支配する。忍の手を汚してしまいたい。その光景だけがリフレインしていた。