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第1笑 猫先輩(人)
板井風信、今日から晴れて高校1年生だ。家で制服着たり、ご飯食べたりして支度を済ませていた。部屋にある事をやるのを忘れたため一度部屋に戻る。
風信は水栽培ヒヤシンスの透明な花瓶の水を替えた。新しい水をリビングの水道水で新しく水を花瓶に入れ、ヒヤシンスを再び花瓶に差す。
それを終えると、部屋から出て、階段を降りて、玄関の扉をガチャッと開けた。扉を閉め間際にぼそぼそっと独り言をいった。
「めんどくさい......」
風信は、だらだらとやる気なさそうにズボンのポケットに手を突っ込み、静かに歩いていた。
風信は、いつもやる気なさそうな顔をしていて、口癖は「めんどくさい」という。
今日から高校生というのに、もう朝からめんどくさいと思っているどうしようもない男だ。
これと言って、夢もなく、やりたいこともなく、勉強にも興味ない、彼女も欲しいとは思わないし、高校生になったが、部活に入りたいと思わない。
あるとしたら、部屋で栽培してるヒヤシンスの世話をするぐらいだ。
風信はそう考えながら歩いている間に、高校に着いた。
校門の前にある表札は「千葉県柏市立谷武高校」と書かれている。
そんなに難関な高校ではない。偏差値が高い学校ではない。
この学校の近くに小宮山女子高等学園がある。この谷武高校より学費も高く、綺麗なお嬢様のような女子学生がたくさん通っている。噂だが、芸能人の娘が通ってるとか通ってないとか......
風信は、校門から校内の周りにある桜の花びらが優雅に風にのってひらひら落ちる花びらを見ながら、校内に入った。
桜はすごく綺麗だった。
風信は花が好きで、よく花を育てていた。親と事もあり、必然的に好きになった。特にヒヤシンスが一番好きなようだ。
校内に入ると、すぐ部活の人たちが勧誘に声をかけてくる。
「ねえねえ! 君、うちに入らない??」
女性だった。
「なに部なんだ?」
「水泳部です! て、あれ? ちょっとまってよぉ~!」
風信は水泳部に興味がないので、もう水泳と言った瞬間、その場から離れた。
そして、それを見て水泳部の女性が追いかけてきた。
「ちょっと! 待ってってば!」
「な、なんですか?」
「なんで、行っちゃうの!? まだ話してないのに!」
「いや、なんでって、おれ泳げないし......」
「あ、あ......えっと......そうね、ごめんなさい」
「じゃあ、もう行きます」
風信はその女性から離れ、そのまま学校内に向かおうとした。
その水泳部の女性は、しょげていた。
風信は進むと、その途中で、ある人たちに会う。
「やあ! 君、部活探してる!?」
「うわっ! なんだ!?」
風信はびっくりした。話しかけてきたのは、猫のコスチュームを着た女性、変人だった。
「いきなり、なんだっ! とはひどいね」
「あんたが、そんな格好してるからでしょうがっ!」
「え? 格好? 普通の猫じゃん」
「いやいやいやいやいやいや!」
「ところで君、部活なにはいるの?」
「どこにも入りません。めんどくさいので」
「え!? 入らないの!? 絶対楽しいよ! 仲間たちとの青春! 時には喧嘩! そして、一度やめににくい雰囲気から抜けられない泥沼...... 」
「そんな、部活に入れるか!?」
「というのは冗談だよ」
「なんなんだよ......」
「とりあえず、気になったら見に来て! 私たちPy部をよろしくね!」
そう言うと、その猫は学校内に入り、どこかに行ってしまった。
「え......ちょっと! こんなのいらない......まったく」
猫人間は、風信に勧誘チラシを渡して行ってしまった。
「なんなんだよ......Py部?」
風信はとりあえず、靴を履き替え、教室に入った。
ちなみに風信は1年C組のクラスだ。
最初の先生紹介、入学式、ホームルーム、それぞれが終わって、もう14時。今日は14時で帰れる。
風信は帰ろうと、カバンを持って教室をでた。
下駄箱の近くの階段で、再びあの猫人間にあった。
「あ! きみは朝のだね!? 入部希望かな!? きて!」
と、風信の手を引っ張る。
「は? え......? うわっ!!」
「きてきて!」
「だれかたすけてくれ~!」
時はもうすでに遅し。
もう、部室にいつの間にか着いていた。4階にあるロシア語教室と書いてある。
「なんだ......はあはあ、ここは?」
「ここはロシア語教室よ。そして、ようこそ私たちのPy部へ......」
その猫人間は教室の扉を開けた。
ガラ......ガラガラガラッと音を立てて。
風信が教室内で見たのは......
「ええええええええぇぇぇ~~~~~~!!!!!」
カバとウサギが机に交互にまたがり、椅子に座ってトランプをやっていた。
その光景をみた風信はめちゃくちゃ、頭の中にハテナが多く出てきて、大声を出してびっくりしていた。
おそらく今年一番のニュースだろう。
まさか、教室をあけるとカバとウサギがトランプをやっている。というこのわけのわからない状況は。
風信はただ単にびっくりすることしかできなかった。風信とPy部との出会い、そして、崩れていく精神的崩壊。すでにこの光景みて崩壊済みなのだが......
ここから風信はどんどん壊れて......
変わっていく。
ー 1笑 猫先輩(人)ー つづく
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