素面な人生

　私は４０代、詳しい年齢は伏せるがオバサンで立派なアルコール依存症だ。だから３年間お酒を飲んでいない。飲んだら止まらなくなるのが分かっているからだ。

　４年前、運送会社のＣＡＤオペレーターの仕事をやっているときは飲酒問題が酷かった。夜ベロベロになるまで飲んで、夜中も起きたら焼酎をストレートで飲んでいた。それが無くなると料理酒まで手を出した。

　運送会社の通勤は自転車だった。車だったら飲酒運転で事故を起こしていただろう。自転車も飲酒運転はいけないが平気で酒臭い息を吐きながら会社に行っていた。転んだことも沢山あってその時に折った右手の骨は手術をしてネジで止めてある。２泊３日の入院で全身麻酔だった。初めての大学病院のベッドで点滴がお酒だったらいいのにとぼんやり思っていた。

　運送会社は２週間お酒に溺れて行かないことがあった。もちろんそんな長い間休んだら医者の診断書が必要だ。正直にメンタルクリニックの医者に話すと診断書に「アルコール依存症」と書かれた。それを見せたときの部長と係長の唖然とした顔が忘れられない。