あと五分遅かったら

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 彼には、恋人が出来たことはなかった。  大学生になって、初めて恋人が出来た。なのでキスをしたことはなかった。   恋をするゆとりは、彼にはなかった。恋人は彼の父親を助けてくれた。  それで彼は、気分が良かった。彼は彼女に、恋心を告白したのではなかった。  気が付くと仲良くなっていた。だから彼女が彼の恋人だということは妄想の世界の話に近かった。  彼は彼女に、恋心を告白されたわけではなかった。なので彼は自信がなかった。    本当に恋してもらっているのだろうか。  彼は、彼女と一緒にいられるだけで気分は良かった。何故か理由は、はっきりと分からなかった。
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