あと五分遅かったら

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 虚弱体質でも、肥満体でも、身長が高くても、低くても恋人がいる人は多くいた。  彼は自信はなかった。彼の恋する恋人かもしれないとしている女は、遊び人なのかもしれないとも思う時はあった。  素直で優しい女だった。でも、良い娘を演じていると彼女自身は認めていた。  本当だろうか。いい娘でなくても良い。恋人になって欲しい。  でも、彼には彼女を恋人にするのは、無理があるような気がした。  近眼の彼は、瓶底レンズ眼鏡をかけていた。  こんな彼自身の様な男が、この美形の恋人になれるのだろうかと考えてしまった。
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