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「部活も良いけど、けがには気をつけろよ」
「ありがとう」
「オレも恋し始めたけど気を付ける」
「何、恋か?」ラグビー部員は少し驚いたようすだった。
「恋したんだ」
「お前が恋なんてえらいことだな」もう一人の同級生は話した。
「高校生時代に彼女なんていたか?」ラグビー部員は笑顔で話した。
「実は一人もいなかった」
「彼女は一人なのは当たり前だよ」バイトで忙しい友達は話した。
「そうか」彼は一人で恋した女のことを思い出した。
「恋しているのはオレだけなんだ。向こうは恋していない」
「片思いか?」ラグビー部員はたずねた。
「片思いだ」彼は答えた。
「良いじゃん、片思い」その友達はバイトの時間が気になるのか、腕時計を気にし始めたようすだった。
「大学の同期の女だ」彼は答えた。
「どんなの?」友達のバイトまでは、まだ余裕がありそうだ。
「普通の女だよ」彼は答えた。
「何だ、すごい良い人かと思った」ラグビー部員は笑った。
「良いと言えば良いけどな」彼は照れていた。変な照れ方だという自覚は彼自身にはあった。彼は彼女と恋人同士ではなかった。
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