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そして、7月7日。星ヶ丘を上っていた。星ヶ丘、と言う名の通り、この町で一番、星が綺麗に見える。今日は昨日までの雨が嘘のように晴れ渡ってる。
「天の川、見えるね」
ひとりごちた。ナオと見るミルキーウェイ。どんなにきれいなことだろう。ナオは今、ここに向かっているのかな。
「星ヶ丘展望所」にたどり着いてしばらくすると。
「だ~れだ?」
と目隠しされた。
「ナ・・・オ?」
「あったり~!!」
「もうもうもう、いままでどうしてたのよ?」
「積もる話はあとにして…星がきれいだぜ。みてみろよ、天の川」
「うん、すっごくきれい。・・・去年も一昨年も、1人で見たんだからね」
「わるかったよ、ほんと。試験で、どうしても帰国できなかったんだ・・・おっ、流れ星」
「ほんとだ、うわっ、また。すごいね」
「おっ、流れ星、捕まえた!」
「へっ?」
ナオは、両手で何か掴んでいた。そして、ゆっくりと開くと・・・。
「これ・・・」
「はめて差し上げてもよろしいでしょうか、織姫様」
それは、ダイヤの指輪だった。
「結婚、してくれますか?」
ナオが真面目な顔で言って、指輪をはめた。もちろん答えは・・・。
「はい・・・私、ミラノに行くの?」
「俺、ジュエリーデザイナーになったんだ。これ、一応、俺のデザイン。ミラノのデザイン事務所で働いてる」
「すごいっ!頑張ったんだね」
「全然、連絡できなくてごめん」
ぶんぶんぶんぶん…私は、かぶりをふると、ナオに抱きついた。
「今、ここに彦星様がいてくれるからいい」
「彦星、じゃないよ。これからはずっと一緒だ」
といって、優しいキスをくれた。
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