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2 工夫を凝らした自己紹介を行った夜、5人の少女たちの絆が深まった
同じ部屋になった5人の自己紹介が行われた。ただし、条件が示されていた。
「昼間の自己紹介は面白くなかったし、印象に残らなかったから、ここでもう一度するのはどう?それぞれ聞きたい事は何?」朝比奈杏が5人に提案した。
「いいけど、印象深くて面白い紹介ってあるの?」と鴫野芹菜が言った。
「例えば、身体のサイズはどう?身長、体重は止めよう。ブラジャーは何カップかで、大体分かるよね。」と言ったのは、白石櫻子だった。
「そう言うのなら、初恋とか恋愛の経験を具体的に話そう。」と南真莉愛が言った。
「恋バナは苦手だけど、自己分析の性格を聞きたい。」最後に坂上花純が言った。
「よし!決まり。じゃあ、出席番号順に行こう!」
一通り自己紹介が終わった所で、
「皆、正直だね。では続けて質問タイムだよ!一人一つだけ、誰かに質問をするのね。全員に廻るようにしてね。」と杏が再び提案した。そして、杏が口火を切った。
「じゃあ私から、芹菜に質問。中学の時の彼とは、まだ続いているの?」
「いろいろあってね。そういう関係になって、櫻子にも相談してすぐに別れた。だって、まだ中学生だったし、男の子とあんな事をするのが嫌だったんだよね。」
杏は「そうなんだ」と、考え込んでいた。次に芹菜が、真莉愛に質問した。
「この中では、私と真莉愛だけがキスを経験済みみたいだけど、ホントにそれだけ?その彼とは、その後はどうなったのか、訊きたいな。」
「訊かれると思ったけど、正直に言うと1回だけした。でも、うまくできなかったから、私はまだ処女だと思っている。これでいい?」
芹菜と他の3人は口を開けて、顔を見合わせていた。
「どうしたの?みんな、ぽかんとして。次は私の番だけど、櫻子に訊くよ。人間の心理とか生理って何の事?身体にどう関心があるの?」
「うーん、具体的には男の子の身体とか心理かな。今ぐらいの年の男子は、エッチな事ばかり考えているのはどうしてかとか、その時の身体の変化とかに興味があるの。」
「それで、具体的には何か分かったの?実際に行動してみたの?」杏が口を挟んだ。
「えー、ずるいよ。質問は一つだよ!中学の時に付き合った男子には訊いてみた事はあるけど、行動はないよ。これから実践してみるつもり。」
櫻子はあっけらかんとした態度で答えていた。次に、櫻子は花純に質問した。
「花純の髪は長くて綺麗だね。私も前は伸ばしていたけど、面倒で切ったの。質問は、可愛くてもてそうだけど、男の子には興味がないの?」
「興味はあるけど、何か怖いの。さっき櫻子が言ってたように、男子は何を考えているのか分からないから。最近は、兄の事も厭らしく見えてきて困っている。」
花純にそう思わせる何かを、訊きたい衝動を4人は抑えていた。
「最後は私だね。杏がさっき言ってたけど、高校生の内に済ますってどうするの?」
「変な事を言ったかな。気になるよね!まだ誰がどうという事はないけど、高校生は人生の春だと思うのね。だから、この時期に蕾のままで終わりたくなくて、花を咲かせようと思っているの。自分でも変だなとは思っているけどね。」
こうして5人は正直に自らを話す事で、お互いの絆を深めていった。
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