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中毒になっている遼太とのセックス。
危険だと分かっていても、暫くすると欲しくなる。
蛇の様に狡猾に私を絡めとる。
年下の若々しい肌が、更に私を煽る。
堪らない。
そんな事を考えながら飲んだビールの生ぬるさ、後味の気持ち悪さも気にならなかった。
明日、谷田を誘惑する。
ノってくるだろうか?遼太に仕込まれた身体、手管を駆使してやってみよう。
比べてみたい。どちらが良い男か。
望の父親候補じゃない、男として私を気持ち良くしてくれる相手として。
谷田は、どんなセックスをするのだろう?
彼のアレが私の中にめり込む瞬間を想像し、身震いした。
私の浅ましさ。
そんなのは、別れた旦那と付き合った時から分かってた。
浩二の両親が弁護士だと知っていたから。
法曹界を目指す以上、何かの役に立つから。
彼が他の女性を孕まし離婚を提案された席で、即座に多額の慰謝料を伝えた時も。
そして今、二人の男と罪悪感なく寝ようとしている。
久しぶりに見る月。
郷里の冴えた夜空に浮かぶ月や星が、私の愚かな心持ちを暴き立てる。
急に恥ずかしくなった。
月から逃げるように縁側を去った。
(下・完)
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