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飲み会の日、他の男の匂いをつけて帰宅した鈴菜さんを、ネチネチ苛めて抱いた。
怒りに任せて荒っぽく抱こうとしたが、そういう行為にトラウマのある鈴菜さんは、怖がるし逆効果だと思い、焦れったくなる位優しい愛撫をし、キスマークを体中につけた。
案の定、鈴菜さんから
「許して、お願い…」
と言われた時は、天にも登る気持ちだった。
望くんに結婚話をしたと怒ってた件も、一旦そこで仲直りした…ハズだった。
今だって、夜の街を歩けば声を掛けられる。
男としての魅力が半減した訳ではないだろう。
鈴菜さんと暮らしだす以前、街で知り合って抱いた女達からは、
「アンタ優しい顔してるのに、随分容赦ないセックスするね~」
「エグッこわっ…でも最高!」
と賛辞を貰っていた。
見切りが早い性格だった筈だ。
なんでこんなに鈴菜さんに執着しているのか、自分でも分からない。
自分が子供を作れない事を言ったのも、彼女が初めてだ。
街の女に言ったって、一夜限り生でヤリたい為の戯言ととられるのがオチだから、説明せず最初から避妊具を使っていた。
バツイチで子持ちの女性は、数多いる。
最初から子供が欲しくない女性もいる。
仕事で子供に接しているから、それで良いとも思える。
しかし、自分が生きた証、後生に繋がる何かが欲しい。
それが他人の子でも、一緒に暮らし育てれば俺を覚えててくれる。
飲み過ぎた甘い酒が、せり上がり喉にまとわりつく。飲み慣れない酒を飲んだせいか、足がふらついた。
女に抱かれたい。
セックスに慣れてない鈴菜さんを開拓し、俺用に染め上げた。
今なら俺がどうして欲しいのか、俺の表情一つで分かるだろう。
帰りたいのに、帰れない。
無茶苦茶に抱いて、今の関係を壊してしまいそうで…
全て、あの女が悪い。
あの沙耶という女が、鈴菜さんを焚き付けたのだろう。
女性らしい形をして、外国人みたいな大袈裟な動作の為、男みたいに見える女。
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