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望くんとオセロをやってる途中、彼が帰ってきた。
鈴菜と二人、台所でお茶の準備をしている。
チラチラ鈴菜を見る姿は。いじらしい気もするが…ヨシ試してみるか。
オセロが終了し、お茶した後、皆で神経衰弱
をやる事となった。
「美味しい!このハーブティー、有り難う!ワザワザ」
「どういたしまして。お客様のご要望なら」
慇懃無礼、腹立つわ~
「でも意外、沙弥がハーブティーなんて。カフェインとか気にしてるの?」
男二人が
「もしかして、妊娠してるとか?」
「赤ちゃん!?」
全く。
「単純に飲みたかっただけ。ま、恋人がハーブティー好きっていうのもあるけど」
「…遠距離恋愛じゃ寂しいでしょ?」
上目遣いに見るコイツが嫌いだ。
「このご時世Skypeとかあるし。寂しかったら身体動かしてるし」
彼は顔を伏せたが、一瞬イヤらしい嗤いが見えた。
もう、絶対コイツ、OUT!
机を片付け、神経衰弱の準備をする田中母子と、食器を台所で片付ける私達。
仕掛けるか…私は小声で
「ねえ、寂しかったら身体動かすの付き合ってくれるの?」
不意に耳元で色っぼい声がした。
「…大胆だな、何処で身体動かすかにもよるけど、鈴菜さんには内緒でつき合うよ」
「アンタ!鬼畜っ!」
「勿論、ジョギングでしょ?」
クックッと嗤い、そんな罠に引っ掛からないと言わんばかりに睨まれた。
谷田にハッパかけたのは、見ていてもどかしいの一言。
仕事では広報のエースとか言われてるのに、何で本命相手にヘタレなんだか分からない。
入社当時から相手の話を良く聞くから、周囲に好かれていた。聞くだけでなく、自分の意見も臆せず言うから、私も好感が持てた。
鈴菜の口から谷田の名前は良く出たし、谷田の口からも同様。
実はこの二人、両思い?と思ったが、鈴菜は子育て真っ最中。恋愛する余裕なんて無さそうだし、谷田も頻繁に他の女子と噂されてた。
谷田の気持ちの軽さ?に本命じゃないのかと
思い、静観していた。
というか自分の恋愛で一杯一杯だった。
距離がある上に、同性、子持ち。色々クリアーしなければならない事盛り沢山だ。
だがっ!コイツより絶対谷田の方がマシ!!コイツは性悪過ぎる。
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