第二次審査・判定

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第二次審査・判定

百人のマークシートの結果が集計された。 審査員は集計結果をまじまじと見てから、慎重に結果を解釈する。 「正答率は後の方になるにつれ下がってきますね。途中まではほぼ全員が正解できていますが」 「点数の分布はどうですか」 「ええと……最高点は『プラス40点』、最低点は『マイナス560点』でした。合格のカットラインは『マイナス200点』としました。ちなみに最後までマークした人は全員、落第でした」 「まぁ、当然でしょうね」 審査員は試験問題に再度、目を通す。 『あなたは上司にこの問題を解くように頼まれました。五分間で可能な限り、この業務を進めてください』 「この問題はあくまでですから、正解はプラス1点、間違いはマイナス10点というのは妥当ですよね」 「ふふっ、一つの単純な失敗を帳消しにするのは並大抵のことではありませんからね。適当にマークをして提出されては上司はかないません」 「マークが追いつかず減点を免れた者ほど受かっているのでは?」 「ああ、そうかもしれませんね。でも、最高点の者は40問だけ答え、回答したものはすべて正解でしたね」
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