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愛を持たざる者どもへの想い
僕日はをはじめとする全ての物語は、自分自身がどちらの性別にも違和感を持ったパンセクシャルでありアセクシャルなため。
”ジェンダー差別が無く、どんな愛の形であっても幸せであれば許される”そんな社会を願い書いているものです。
メインストーリーは同性恋愛モノではありますがヒューマンドラマです。
箱庭世界であり、それぞれの人物の話があり、ジャンルは同性愛モノだけでなくコメディや青春、異性愛ものなどもあります。(群像劇に属するらしい)
コメディの夏海編ででてくる主人公の夏海は奇妙な同人誌をせっせと作っている腐女子で、コミカルに描いていますが、無性愛者という設定です。
何故、明るく生きれるのか? それについて触れているのが、『二人を繋ぐ宝物の日々』という作品。
設定でジェンダー差別が無く同性婚可能な世界であっても、無性愛者は苦しまなければならない。
俺はオメガバースが嫌いです。
それは男に産まれながら両性具有で女扱いされるということがトランスジェンダーの状況にかぶって見えるからです。
心が男でありながら、身体が女であるためにレイプ被害に合う。
その時どう思うかきっと、理解してもらえないのだろう。
人としての尊厳が失われる。
人間扱いされていない。
エッセイなどでも述べていますが、身体の性別=その人の自認ではないし、異性体に欲情する=異性愛者ではない。
書いている人たちはそういうことを考えて書いているのではないとは思うけれど。
オメガバースの世界観に思うのは、『どんなに好きな人が同性であっても、結局この社会でで生き抜くには異性を選ぶんだろ』といわれている様にしか感じない。
オメガが子を産む存在、ベータが同性、アルファが異性だととてもしっくりくる物語です。
しかしながら、同性愛者は異性など好きにはならない。
それは、異性愛者の感覚でしかありません。
当たり前など、この世には存在しない。
だからこそ土台の上に築く世界には、説得力が必要。
それにもかかわらず、雑なものが多いなと感じています。
何故男性体でありながら、αを憎んでいながらαを好きになれるのか。
丁寧な描写を書いて欲しいと願う。
願ったところで、異性愛者は異性を好きになることを当たり前と捉えていて、その事に気づかないことが多い。どうかオメガが人として扱われる物語を紡いで欲しいなと願う。
そして産まれた世界が、バース世界の常識を覆す『愛を持たざる者ども』です。
恐らく、バースが好きな人には面白いとは思えないものだと思います。
こういう理念で書いているものなので、本当に読みたい人だけに読んで欲しいと感じています。
ただ。バースが好きだから、そんな軽い気持ちで読まないで欲しいと願っています。
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