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「好き!」
轟音と同時に、呼吸が止まる。人って緊張の閾値を超えるとむしろ冷静になるらしい。キスされてるわ私コレ。
そう、思い出した。7時30分から花火大会で、告白が成功したら、そのまま一緒に近くの神社まで歩いて、打ち上げ花火を観たかったんだ。今から行っても間に合わないなぁ……
「よくできました」
ぺろっと舌を出した悠真の、したり顔が憎たらしい。
「ゆ、悠真は? アタシのこと好き?」
ねぇねぇ早く言ってよ。とアタシは袖を掴んでせがむ。
「……5分待て」
私の腕に巻き付いた時計を見た悠真は、もう一度アタシの唇を塞ぎ、きっかり5分経ってから「好き」と耳元でささやいた。
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