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ここは旧社屋裏。周りには人っ子一人いない。目に映るのはキミだけ。アタシの心臓はドキドキ。
「えっえー。えー」
キミは腕を組んだまま一言。
「あの、いい加減にしてくれる?」
「えっ!」
女の子から呼び出されてこんなこと言う奴いるの? 信じられない女の敵だわコイツ!
怒りの目を向けるアタシに臆することなく、コイツは冷たい目で減らず口。
「もう20分『えー』しか言わんじゃねーかオマエ」
私は左手に巻いた腕時計に目を落とす。19分28秒だバカタレ。
「だっだって」
「アニメだったらもうエンディング入ってんぞ。なんだこの進展のない20分間」
うるせぇ味わえ20分間の甘酸っぱい緊張感を。
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