4.

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 リベカとアルが町に行ったあの日、ダミオは昼過ぎに仲間数人を集めて山に向かった。想いを寄せていたリベカに、雑貨屋のアルがちょっかいを出していると聞いたからだ。 「あいつ、なめたマネしやがって」  アルは気が優しく、腕っぷしも強くない。ちょっと恥をかかせてやれば、リベカは幻滅するだろう。ダミオはそう考えていた。  かくして、黄昏の山道を町から戻って来たリベカとアルは、村の男たちに行く手を塞がれた。 「アル、誰の許可を得てリベカにつきまとってるんだ?」 「女をたぶらかすのだけは一人前かよ」  ダミオと仲間たちは、小馬鹿にしながらアルを小突き回した。  アルが顔色を変えてダミオに殴りかかったのは、止めに入ったリベカがはずみで道に突き飛ばされたからだ。思わぬ反撃で頭に血が上った男たちは、全員で彼を殴り、蹴った。 「やめて! アルを離して!」  リベカの悲鳴が山に響いたが、殴打の音が止むことはない。  気がついたら、アルは完全に動かなくなっていた。
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