Epilogue

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Epilogue

 分かったかい?  この世界に、ミノタウロスなんて怪物は存在しない。それを作り上げたのも、利用しているのも、人間なんだ。  あんたの娘さんに、どんな事情があるのかは知らない。  でも、娘さんが生みたいと言うなら、きっとそれは愛した男の子どもなんだよ。ミノタウロスの仔なんかじゃあない、愛した男の子を、たった一人で守ろうとしているんだ。  なぁ、女ってのはそういう生き物だろう?  絶対に殺させちゃあいけない。  とにかく、娘さんとよく話をすることだ。  もし村に居づらいなら、ここへ来たらいい。  この村にはもう、ミノタウロスはいないからね。  さぁ、今日はもう遅い。  隣の部屋で休むといい。  朝になったら滋養のつくものを持たせるから、早く娘さんの所に帰ってやりなさい。  うん?  あぁ、妹の墓も……この小屋の裏手の丘にあるよ。アルと並べて、埋めてやったんだ。子どもも一緒にね。  え? あぁ、ありがとう。  そうだな、明日の朝、案内するよ。  あんたの娘さんが、リベカの分まで幸せになれるよう、心から願っているよ。  それじゃあ、おやすみ…… 【了】
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