恋の人魚よ、さようなら

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海底の人魚の庭で目の覚める無口な(うお)が額をつつく どこまでもどこまでも海ふかい青われの世界はここです父よ うつむいたあなたの顔の映ってる水面ざわめき泣いてしまった 海水をスーツケースにぎっしりと詰め込んだ朝こぼさぬように ごめんねと体くねらせ泳ぐんだ鱗がすべる海かき分けて
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