時計屋

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手柄を立てた警官は腕時計をこすった。しかし時計を凝視していた。 「おかしいぞ。この時計は悪い奴を発見するまでの時間じゃないのか?」 「そうです」 「0分のまま止まっているぞ」 「ああ?それは……」 時計屋はたった今、目標を達成したのでリセットしていると話した。 「私が去った頃に新たな時を示します」 「そうか。これがあれば犯罪者を捕まえられるぞ」 「では。私はこれで」 時計屋の車は発車した。 男の時計と警官の時計は影帽子のように同じだけの時を伸ばしていたのだった。 fin
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