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沸いている鍋の火を止めてマグカップに注ぐ。
お手軽に手に入れたその香りを楽しみながら焼けたパンにジャムを塗った。
簡単にレタスとミニトマトを乗せてそこにオムレツも置く。
ケチャップを持って誠司のオムレツには『バカ』と書いた。
テーブルにそんなワンプレートとコーヒーを置く。
最初に起こした時からもう15分は経っている。
「誠司!もういい加減に起きて!」
布団を剥いで頬を軽く叩いた。
「待って…5分だけ…あと5分…」
「もう30分待った!」
誠司の動きが止まる。
「え!?今何時!?」
ガバッと起き上がって慌てて携帯を探す姿を見て笑いが止まらない。
「嘘!今7時!だから、ご飯食べよ?」
「こんのっ!!」
誠司がくしゃっと表情を変えて私の脇をこしょぐってくる。
身を捩ると笑っている誠司と目が合った。
「コーヒー冷めちゃう!」
必死に訴えてその腕を退けようと試みる。
「瀬奈」
耳元で名前を呼ばれて背筋がゾクリとする。
誠司の方を見るとさっとキスをされた。
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