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第三話
放課後、サークル活動で集まった私達は、今後どうすべきか話し合っていた。正直なところ、警察が出てきてしまっては出来ることは何もない。
以前に大学で事件が起きた時、先に事件を解決したのが気にくわなかったのか、埼玉県警の刑事からは嫌みを言われたし、また刑事と鉢合わせになって、何か言われるのはごめんだった。
「「はぁ」」
二人で同時に溜め息をつき、顔を見合せて思わず笑い合う。そんな時、ドアをノックする音が聞こえた。
「あ!!」
「え?」
部屋の中へ入ってきた人物を見て、固まってしまった私を、ミキは不思議そうな顔で見ていた。
「なーに? もしかして、妙子の彼氏?」
「なに言って・・・・・・。違うわよ。この間、見学に来てくれた人。どうしたら、そんな考えに辿り着くのよ」
「入部希望者? ミステリー研究会の?」
「ミキ!!」
「あ~ミステリー研究会は本日、屋上で活動しております~ご案内致します!!」
ミキの白々しい案内に、額に手を当て呆れていると、彼は私の方へ真っ直ぐに歩いて来た。
「作戦会議をしてるのか? 何の?」
この間、研究室へ来ていた背の高い茶髪男は、ノートを覗き込んで内容を読もうとしていた。
「近っ・・・・・・。教えないわよ。守秘義務ってやつ。いくら何でも、それくらい知ってるでしょ?」
近づいてきた彼に、ノートを見られないように必死に守っていると、彼は平然と言った。
「俺も、ミステリー研究会の探偵クラブに入りたい」
開いた口が塞がらないとは、このことだと思った。
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