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それ以降、母親を支えたのはきっと、リョウの両親で、そして変わらず自分が楽しくやれたのは、リョウが変わらず隣にいてくれたからだと、朔良は思う。
「ミツキ最近なんかあった?」
「なにが?」
「いや……なんか変わったよな」
「え、なにが?」
「いやなんだろな? こうわずかーな変化なんだけど」
「別になんもねぇけど」
「なんか、前みたいにつまんなそうじゃなくなった」
「そーか? 今も前もつまんなくねぇよ?」
「いや前はつまんなそうだったよ、つーか、イライラしてる感じがあったな」
「ふぅん……」
明るくて、なんでもペラペラ話すリョウ。1人でペラペラ話し続ける。
「つーか話変えんなよ、サクラだよ」
「俺は別に変えてねぇよ」
「いちいちうるせぇな。サクラがな、ミツキくんいいよねって、言ってたぞ」
「いや、アイツはリョウが好きなんじゃねぇの? リョウの話すげぇしてたぞ」
「お前と話す話題が俺しかなかったんじゃねぇの?」
「えー? そんな感じじゃなかったけど……」
「前の彼女と別れてだいぶ経つじゃねぇか、いいんじゃねぇの? サクラ。可愛いし」
「アイツさ、なんかちょっとリョウと似てるよな」
「そーか? じゃぁ多分お前と上手くいくな」
リョウはズズッとスープをすすり、空になったどんぶりをドンっと机に置いた。
リョウが言うならそうかもしれない。
そんなことが、朔良の頭をよぎる。
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