清廉潔白な乙女

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   山奥に入り、電波が届かなくなったところで、例の白い鳥居が見えてきた。本当にあったんだ、と胸を撫で下ろす。  こんなとこ、さっさと祈って撤退しよう。  手を合わせ、夜空を仰ぐ。無数の星々が、人混みのなかでは見ることの出来ない輝きを放っていた。綺麗だな、案外。たまに観測しに来るのも良かったりして。  そのうちの一つが流れたところで、静かに目を瞑る。 「清廉潔白、清廉潔白、清廉けっぱ――」 『私利私欲の塊ですね』
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